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全国でも珍しい、ビルの二階に鎮座する神社「大和天満宮」とは

全国でも珍しい、ビルの二階に鎮座する神社「大和天満宮」とは

出典:http://www.yamatotenmangu.jp/access.html

大和駅の近くにある「大和天満宮」は、ビルの2階に位置する全国的にも珍しい神社です。ビル内のエレベーターを上がった先には、周囲の街々と異なる静かな雰囲気の神社が現れます。
大和天満宮の社殿は、元々「厚木空神社」という名で海軍厚木飛行場内にありました。
当時は2つの社殿があり、それぞれ天照大神と戦没者を祀っていました。
終戦時、大和駅周辺での人口増加や緑地開発の予定にともない、厚木空神社から天照大神を祀る社殿を大和駅前に移して、新たな神社を建立しました。
戦没者を祀る社殿は、同じく大和市内にある深見神社の境内社として鎮座しています。
戦後の復興が求められる時代、人々は学問の神様である菅原道真を祭神にして、復興の道標にしようと考えました。
そのため、太宰府天満宮からの分霊を受けて「南大和天満宮」となり、のちに現在の「大和天満宮」の名になりました。
長らくは地上にありましたが、周辺の再開発により2016年にビルの上に遷座しました。

大和天満宮をはじめ、全国には「天満宮」とつく神社が多数あります。
これらはいずれも「学問の神様」とされる平安時代の役人・菅原道真を祀っています。
幼いころから「神童」と呼ばれるほどに賢かった道真は、18歳から学者として位を上げ、最高位にまで昇進します。
讃岐国に長官として赴任すると、疲弊していた現地を立て直す成果を上げて、さらに高い評価を得られるようになりました。
その後、京で右大臣を務めていましたが、左大臣の政略によって太宰府に左遷され、現地で亡くなりました。
京を離れる際、自宅の梅に詠んだ「東風吹かば にほひおこせよ 梅の花 あるじなしとて 春な忘れそ」の歌は今なお語り継がれる名句です。

そして道真の死後、左大臣ほか道真左遷に関わった人物が急死したり、帝の住まいを含む京の各地で落雷が多発したりするなど、災いが続きます。
道真の怨霊と恐れた人々が京の北野と太宰府に神社を建て、それぞれが北野・太宰府両天満宮へとつながりました。
その後、頭の良かった道真にあやかろうとする人が増えて、道真は学問の神様として親しまれるようになったのです。

ビルの中にありながら、境内には多くの花が植えられて美しい姿を見せています。
春にはサクラやツツジ、夏はアジサイやサカキ、秋はイチョウやムラサキシキブ、そして冬にはマンリョウや道真が愛したウメなど、四季折々の花々が咲き誇ります。
まるでビルの2階にあることを忘れさせるような、緑あふれる空間が作られています。

出典:http://www.yamatotenmangu.jp/plant.html

花だけでなくカヤやクスノキも青々と茂っています。
2011年の台風で2本ほど倒れてしまいましたが、残された種が新たに植えられ、すくすくと育っています。

大和天満宮があるビルは「シリウス」という複合施設で、図書館や生涯学習センターが併設されており、主に芸術や生涯学習の推進を行っています。
図書館にはさまざまなジャンルの本が揃っていて、子供からお年寄りまで楽しめます。
また、「ADEAC」というデジタルアーカイブを検索・閲覧できる仕組みを導入しており、紙だけでなくデジタルデータの活用にも積極的に取り組んでいます。
また、生涯学習センターでは講習室や会議室、和室やスタジオといった多目的スペースも用意されています。お稽古やちょっとした集まりの際にも役立つでしょう。
他にも、コンサートや発表会などに利用できる芸術文化ホール、世界中の遊び道具で子どもの豊かな心を育む屋内こども広場などもあり、老若男女を問わず、楽しみながら学べます。

出典:https://www.facebook.com/yamatomirai20161103/

軍事基地内から駅前、さらにビルの上と、立地を大きく変えてきた大和天満宮を紹介しました。
ビルの上にありながら自然に溢れる境内は、まさに都会のオアシスといえる環境です。
また、ビルそのものも学問の神様を祀るのに相応しい文化・学問に触れられる素敵な施設になっています。
ぜひ大和天満宮に参拝して、心と頭のリフレッシュをしてみてはいかがでしょうか。

楓さん(303)の記事

大和天満宮

http://www.yamatotenmangu.jp/index.html

大和市大和南1-8-1 大和市文化創造拠点「シリウス」内 M2階デッキ 046-2642-0802 【アクセス情報】
小田急線「大和駅」から徒歩3分

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