「まず、自分を整える」から始まる、自分らしい一歩。狛江で人と人をつなぐ吉田唯さんの暮らし
小田急沿線の素敵なくらしをしている人々にスポットをあてて、仕事のこと、地域との関わり、そしてその人らしい生き方をお届けする「小田急沿線のくらし」。
今回ご紹介するのは、株式会社ビジトレ代表取締役であり、よもぎ蒸しサロン「まま利楽」を運営する吉田唯さんです。
起業を考えるママのサポートや、思考の傾向を可視化するEQセッション、心と身体を整えるよもぎ蒸しなどを通して、「自分の判断軸を持ち、自信を持って一歩を踏み出せる人」を増やす活動をしています。活動の約8割を狛江を拠点にしている吉田さん。大学時代から、社会人になってからも細々家庭教師を続けていて、たくさんの子どもたちと接する中で、「こんなに勉強ができる子たちが、どうしてこんなに自信がないんだろう」と感じたことがきっかけにずっと教育に携わる仕事がしたいと考えていた吉田さん。狛江で活動をすることになった原点は、2023年に始めた子ども向けのビジネス教育だったそうです。
ボードゲームを使ったビジネス教育からスタートし、いつもは勉強が楽しくない!という子どもたちが、ゲームで楽しくビジネスの専門用語にも触れながら楽しく学ぶ姿に感動しました。一方で、多くの親御さんと出会う中で、子どもだけでなく親自身も迷い、疲れていることに気づきました。そして、それを吐き出す場所もなく、そういうものだと受け入れてしまっている方も多いと感じました。よもぎ蒸しサロンを始めてからは、温まりながら話をするうちに、帰る頃には笑顔になっているお母さんたちの姿を目にするように。次に来てくださった時に、「張り詰めていたことに気づけた」「自分のケアも大切だと実感した」というお声もよくいただくようになりました。それらの気づきが、現在の活動へとつながっています。
吉田さんの活動に共通しているのは、「その人自身が、自分らしく前に進める状態をつくる」という考え方です。よもぎ蒸しは、もともと親御さんとつながるためのコミュニケーションのきっかけとして始めたもの。
ところが、実際にサロンを運営すると、子育てや家事、仕事に追われ、心身ともに余裕をなくしているお母さんたちがたくさんいることに気づきました。身体を温めながら話をして、ふっと力が抜け、笑顔で帰っていく。その変化を何度も目にする中で、「まずは身体から整えることが大切」と実感したそうです。
そして、その先に必要なのが、「自分はどうしたいのか」「何を基準に選ぶのか」を自分自身で決めること。だからこそ、起業したいママへのサポートやEQセッションにも活動を広げています。
また、吉田さんは人と人をつなぐことも大切にしています。「この人に出会えたら、もっとよくなる」と思えば、自分のネットワークを使って積極的につなぐ。サロンでも専門家とのコラボイベントを開催し、サービス同士を組み合わせることで、新しい価値を生み出してきました。身体を整えること、考え方を整えること、そして人とつながること。そのすべてが、吉田さんの活動を形づくっています。
「正直、大変でない時期はありません(笑)」と話す吉田さん。
特に2025年は、家族のトラブルが重なり、経済的にも厳しい一年でした。大好きな旅行にも行けず、家の中のものをフリマアプリで大量に手放し、休みもほとんどなかったといいます。それでも、そんなときだからこそ意識したのが、自分自身を整える時間でした。
「自分が心身のバランスを崩してしまったら、誰かを支えることもできない」。
忙しいからこそ、身体を温め、何も考えずに緩む時間をつくる。その一つが、よもぎ蒸しでした。
また、事業においても、ビジョンや使命からずれていることは思い切って削るように。そして何より、一人で抱え込まないことを大切にしています。
「経営者は孤独」と言われますが、一人だけで考えていると、判断を誤ることもある。だからこそ、信頼できる人に相談し、壁打ちをしてもらう。AIに相談することも日常だそうですが、最後に大切にしているのは、やはり人との対話です。子どもを支えることから、親を支えることへ。
活動の変化は、吉田さん自身がさまざまな経験を重ねる中で見つけた、大切な答えでもありました。
吉田さんが暮らし、活動する狛江について、「とにかくアットホームな街」と話します。
「知り合いの知り合いは、みんな知り合い」というくらい、人と人との距離が近く、どこか昔の村のような温かさがあるのだとか。
仕事で知り合った人が、実は娘さんと同じ小学校のママだった、ということもよくあるそうです。そんな地域のつながりを生かし、ビジトレではこれまで「出会いをつなぐマルシェ」を開催。地域の事業者が集まり、さまざまなサービスを体験できるだけでなく、出店者同士、お客様同士もつながれる場をつくってきました。
マルシェで出会ったことをきっかけに、出店者同士が別のイベントを開催するようになったことも一度や二度ではありません。「このお客様なら、あの人を紹介したら喜んでもらえるかも」と、お互いに人をつないでいく。そこから仕事や新しい活動が生まれ、小さな連鎖が広がっていきます。
子どもが生まれる前は、会社員として忙しく働いていて、朝早く家を出て終電やタクシーで帰る生活で、狛江や小田急線への愛着はそれほどなかったという吉田さん。それが、子どもと暮らすようになり、自然が残りながら便利で、人との距離も近い狛江の魅力を知りました。「今では、第二の故郷のような場所」。そんな街への愛着が、地域での活動を支えています。
2026年7月、よもぎ蒸しサロン「まま利楽」を狛江駅南口側へ移転した吉田さん。これまであまり縁のなかった南口で、新しいお店や人との出会いが増えたことを楽しんでいます。
これから目指しているのは、「心身を整えながら、自分らしく挑戦できる人」を狛江に増やすこと。何かを始めたいと思ったとき、無理をして頑張り続けるのではなく、まず自分の状態を整える。そして、「自分は何を大切にしたいのか」という判断軸を持って、自分で選び、一歩を踏み出す。そんな人が地域に増えれば、街ももっと元気になるはずです。
狛江には、まだ知られていない人や店、場所がたくさんあります。だからこそ、「こんなお店があったんだ」「この人とこの人がつながったら面白そう」と、新しい出会いが生まれる流れもつくっていきたい。
そんな吉田さんが、過去の自分に伝えたい言葉があります。それは、「頑張る前に、まず自分を整えてね」。頑張ることをやめるのではなく、一度立ち止まり、自分を整えてから進む。そのほうが、きっと遠くまで行けるから。
身体を温めることから、働き方や生き方まで。吉田さんは今日も狛江で、人と人をつなぎながら、自分らしい一歩を踏み出すためのきっかけを届けています。
まま利楽
https://biztraining.jp/yomogi-mamarelax/
狛江市東和泉2-13-6 アトリエFREE内 080-6966-1514 平日9:30−17:30、土日祝は応相談https://biztraining.jp/
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