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鎌倉を歩き、万葉にふれる 多摩 よこやまの道 一本杉公園

鎌倉を歩き、万葉にふれる 多摩 よこやまの道 一本杉公園

小田急多摩線の南側には、緑豊かな多摩丘陵が広がっています。
はるか奈良時代、万葉の昔、武蔵の国府が置かれていた府中からこの山並みを眺めると、東西に長々と峰を連ねるその姿を中央から赴任した時の国司らが「多摩の横山」また「眉引き山」と呼び、また「万葉集」にはこの地から出征した兵士を思う防人歌が撰ばれ、遠く都の人々にも知られた存在でした。
この峰伝いに全長約10㎞のハイキングコースが整備されています。
「多摩 よこやまの道」です。
この道は多摩市の南端に沿った峰伝いに東西に配され、奈良時代から整備された都と府中国府、板東・奥州を結ぶ主要道や鎌倉時代の鎌倉と北関東を結ぶ複数の鎌倉道など、何本もの古道と稜線上でほぼ直角に公差しています。
またこの丘陵の付近は古戦場や多摩の壮士が中心メンバーだった幕末の「新撰組」に関わる史跡も多く残されていて、歴史とロマンを楽しみつつ散策したり、俳句句作のための吟行にはもってこいのワンデイ・ハイキングコースです。

さて、そのコースのほぼ中央に「一本杉公園」があります。
ここに万葉集に撰ばれ「多摩の横山」を都人にも知らしめた防人歌が記されたの記念碑があります。

赤駒を 山野に放し 捕りかにて 多摩の横山 徒歩ゆか遣らむ
(あかごまをやまのにはがし とりかにて たまのよこやま かしゆかやらむ)

飼っている馬を丘陵に放牧していて捕まえられない。
食糧を携帯して戦の重装備で遠く防人に出向く夫に、馬もなく徒歩で行かせれば、大変な苦労になってしまう。

夫の出征と別れ、夫への思い、防人へ向かう遙かな行程を労る妻の心情を見事に表現した歌で、このハイキングコースの名の由来となっています。

開発が難しい険しく入り組んだ地形は、古くからの武蔵・相模の風土を護る役割を果たし、都心からほど近いにもかかわらず自然景観ばかりか里山など人と自然が共存する山農村の姿も今もなお伝えています。
道は峰伝いに辿りますので、決して平坦な道ではありません。
歩きなれたまた歩きやすい靴をはいて、軽登山の装備で散策されることをお勧めします。

秋村さん(1)の記事

よこやまの道

http://www.city.tama.lg.jp/0000003168.html

東京都多摩市南野2丁目13−14(一本杉公園)
唐木田駅から徒歩約10分

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