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今は珍しい茅葺屋根!吉田茂の側近が暮らした「武相荘」ってどんなところ?

今は珍しい茅葺屋根!吉田茂の側近が暮らした「武相荘」ってどんなところ?

出典:https://intojapanwaraku.com/travel/34642/

町田市の鶴川駅から徒歩15分の場所に「武相荘」という古民家を改装した資料館があります。武相荘は1943年から2001年まで白洲次郎・正子夫妻と家族が住んでいた家で、現在は白洲夫妻の公私にまつわる資料や道具を多数所蔵・展示しています。
白洲次郎は第二次世界大戦の終戦時、吉田内閣の外務大臣としてGHQとの折衝に務めた人物です。ケンブリッジ大学仕込みの流暢な英語と率直な物言いで、GHQに手を焼かせた「従順ならざる唯一の日本人」でした。
妻・正子は幼いころから勝ち気で行動的な人物で、一目惚れであった次郎と結婚する際にも、認められなければ家出するつもりでした。戦後も文芸・骨董の大家たちの交流に切り込んだほか、60歳を過ぎても全国で数々の名紀行を生み出すなど活発に行動しています。晩年の80代でも子らと骨董買いを競うなど、常に真剣勝負を続けました。

武相荘の大きな特徴が茅葺の屋根です。
武相荘が建てられたころは、東京都内でも茅葺屋根の建物は多数見られました。
茅葺屋根は日本の農村で材料を容易に手に入れられるのが利点でしたが、現在では農村とともに減少を続けています。
武相荘も瓦葺への変更を考えたそうですが、白洲次郎の妻・正子の強い要望により茅葺を維持することに決まりました。
現在の武相荘の屋根は京都の職人により維持されています。
複数種の葦を混ぜて耐用年数を延ばしたり、毎年刈り込んで繊維を強くしたりするなど、職人の手によって大切に紡がれています。

出典:https://buaiso.com/kayabuki/

武相荘の中は白洲夫妻の生涯や私生活を紹介するミュージアムになっています。
生活感あふれる土間や書斎、終戦時に次郎が使用した各種アイテムなどが観覧できます。
ミュージアムではメイン展示として、季節ごとに企画展を行っています。
春夏秋冬それぞれで白洲夫妻が使っていた道具・着物の展示や当時の内装再現により、四季折々の風情を楽しめます。
暖かさと芽吹く花の美しさを愛でる春、ガラスの器で夕暮れの蝉の声を味わう夏、秋草の香りや暖かみのある木製器具を味わう秋、寒くとも個々人の趣味を楽しむ冬、それぞれの季節を白洲夫妻がどのように過ごしていたかうかがえると同時に、現代社会の中で忘れかけている四季の素晴らしさに改めて気づくことができるでしょう。

出典:https://buaiso.com/ki/info/exhibition/10190.html

武相荘の敷地内には「レストラン&カフェ 武相荘」が設けられています。
ミュージアムへの入場チケットが必要ないため、観光客だけでなく近隣住民からも広く利用されています。
白洲夫妻の娘がレシピを監修しており、白洲家で実際に食べられていたメニューを味わえるレストランです。
どら焼き・カレー・ディナーコースなどバラエティ豊かな料理でほっと一休みできます。

出典:https://intojapanwaraku.com/travel/36560/

白洲次郎・正子夫妻が過ごした武相荘は、快活な夫妻と対照的に落ち着いた風情です。
外で動き回る2人が羽を休める空間だからこそ穏やかさを求めたのかもしれません。
現代では珍しくなった茅葺の古民家で、日本文化と歴史のロマンを感じてみてください。

楓さん(303)の記事

旧白洲亭 武相荘

https://buaiso.com/access_guide/

町田市能ヶ谷7丁目3番2号 042-735-5732 【アクセス情報】
小田急線「鶴川駅」から徒歩15分

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