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下北沢で江戸の歴史に触れる!徳川ゆかりの「森巖寺」に参拝しよう!

下北沢で江戸の歴史に触れる!徳川ゆかりの「森巖寺」に参拝しよう!

引用:https://www.photo-ac.com/main/detail/22821281

森巖寺は1608年(慶長13年)に徳川家康の次男である結城秀康の位牌所として建立されたお寺です。
小田急線「下北沢」駅から徒歩10分、静かな雰囲気の一画に構えています。

開基の結城秀康は、徳川家康の次男として生まれたものの、戦の和解条件として10歳で豊臣秀吉のもとに養子に出されるなど、波乱の生涯を送った人物。
関ヶ原の戦い以後は越前67万石の藩主となりましたが、病気を患い、死期を悟った秀康は、一乗院住職万世和尚に「自分の死後、江戸の地にお寺を1つ建立し、自らの位牌所とせよ」と命じました。
万世和尚は高齢であったため、自らの弟子である清譽存廓上人に任務を任せて、1608年に森巖寺が開山となったのです。

なお、本堂は2度火災に遭っていますが、結城秀康のご位牌は阿弥陀如来のもとにある厨子(ご位牌を安置する仏具)に今なお安置されています。
徳川家の位牌所であることから、建造物などの各所に「三つ葉葵」の紋を見ることも可能です。
昭和の始めまでは、秀康公と関係の深い松平家の子孫が森巖寺を年に1度訪れ、それを本堂からつながる長い玄関でお出迎えして、葵の御紋が入った食器でおもてなしをしていたのだそう。
ちなみに宗派は浄土宗で、御本尊は阿弥陀如来です。
他にも閻魔様や不動明王、弁財天や、医療と医薬の神である少彦名神(スクナビコナ、淡島様)をお祀りしています。

引用:https://www.photo-ac.com/main/detail/22821282

森巖寺に祀られている神仏の1つに淡島様(少彦名神)があり、境内に入って左側にある「淡島堂」に祀られています。
この淡島堂は天保7年に完成したとされ、五穀豊穣や財福の神様である大黒様も安置されている由緒あるお堂です。

そんな淡島堂に祀られている淡島様は、女性や子どもに関してありとあらゆるご利益を授ける守り神として、江戸時代から信仰されている神様です。
女性に対しては子授けや安産、婦人病の治癒や裁縫の上達といったご利益のほか、人形供養にも霊験があります。

ちなみに、森巖寺に淡島様にまつわる、ある1つのエピソードがあります。
森巖寺の初代住職であった清譽存廓上人は、当時ひどい腰痛に悩まされていました。
そしてある夜、故郷紀州の淡島様が夢に現れて、灸治をするようにと告げられました。
清譽存廓上人は自分の足にお灸をすえると、ひどかった腰痛が嘘のように治り、上人は紀州加太(かだ)の本社に願い出て、境内に淡島様を勧請することにしたのだそうです。

森巖寺の見どころは淡島堂だけではありません。
ここからは、森巖寺でぜひチェックしておきたい建物や伝統的なスポットをご紹介します。

・森巖寺本堂
阿弥陀如来を本尊とする本堂です。
本堂前には常香炉があり、お参りする前にけがれを落とすことも。
2度の火災を経て、現在建てられている本堂は昭和39年に建てられたもので歴史を感じられます。

・不動堂・閻魔(えんま)堂
お堂に向かって左側に閻魔大王像が、右側に不動明王像が祀られているお堂です。
閻魔大王は地獄で死者の生前の行いを裁く神様、不動明王は大日如来の姿の1つとされています。
煩悩を切る剣を右手に、悪を捕縛して人々を救う縄を左手に持って立つ、力強い姿を拝めます。

・開山堂
檀家さんをはじめ、多くの地域住民の方々によって使われる斎場です。
白を基調とした色合いが印象的な建物で、平成20年に建てられました。

・弁財天像
弁財天は音楽や伎芸、福徳を司る神様で、不動堂・閻魔堂の近くの杜に安置されています。
森巖寺の弁天様は、1つの顔と8本の腕を持つ「一面八臂」の姿をしていて、頭上には、頭は人・体は蛇の姿をした神様「宇賀神」の像が乗っています。
ちなみに宇賀神は農業と穀物の神様です。

・針塚/石棺
12月8日に行われる針供養で供養した針を収めて、供養する場所です。
遅くとも安政期には森巖寺で針供養が行われ、施灸と同じくらいに有名だったそうです。

・イチョウの木
森巖寺が開かれた時から境内にあったという樹齢400年以上のイチョウの木。
秋には黄金色に美しく紅葉し、お寺を明るく染めます。
ちなみにこのイチョウの木は大樹・銘木コンクールに入賞したこともある銘木で、世田谷区の保存樹にも指定されています。
周辺の建物はイチョウの木を守るために考えて建てられているそうです。

このほか、本堂横の通路を通った先には墓所や淡島幼稚園もあります。
また、定例行事として毎月1回、日曜日の午前9時から、僧侶と一緒にお念仏などを唱えて心の修養を行う「お念仏会」、毎月1回・土曜日の午後2時から、写経を行い、仏様の教えに浸ることができる「写経会」なども行っています。
いずれも一般参加ができる行事なので、ぜひ参加してみてはいかがでしょうか。

楓さん(303)の記事

森巖寺

https://shinganji.jp/

世田谷区代沢3-27-1 03-3421-1730

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