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川崎唯一の県立公園!古代から続く自然の息吹を感じられる「県立東高根森林公園」

川崎唯一の県立公園!古代から続く自然の息吹を感じられる「県立東高根森林公園」

ベッドタウンという印象が強い川崎市ですが、実は公園や緑地など豊かな自然が残されているスポットが多いエリアでもあります。
そして、今回ご紹介する県立東高根森林公園は、川崎で唯一の県立公園として整備されています。
なんでも、古代の住居跡や全国的にも珍しい植物の群生を保護するという観点から運営が始まったそう。
11ヘクタールもの広大な土地で、大自然と古代から続く暮らしの雄大さを感じられるスポットです。

川崎で唯一の県立公園

川崎市の北部は、多摩丘陵地帯の一部で古代から豊かな森林に守られた土地で、里山の中で定住していた痕跡が至る場所で見られていました。
しかし、昭和後期の首都圏への人口流入によってこのエリアも宅地開発が進み、古くから伝わる緑豊かな土地は次第に姿を消しました。

もともとこの公園の土地も、昭和40年代に宅地開発が実施される予定だったそうです。
しかし、現在「古代芝生広場」として整備されているエリアの調査をしていたところ、弥生時代から古墳時代にかけて生活していたと思われる竪穴式住居の遺構が発見されました。

これらの発見により、非常に学術的価値が高いものであるという判断のもと、昭和48年から数年かけて整備に着手し、昭和53年より県立東高根森林公園として開園されたのです。

県指定の天然記念物「シラカシの林」

また、学術的価値のあるものは住居の遺構だけではありません。
園内に群生する「シラカシ」という植物があるのですが、2.8ヘクタールもの広大な土地にて「シラカシ林」というエリアが解放されています。
シラカシの木は堅く弾力がある性質があり、古くから木刀や薪・器具などに用いられてきたことから、人間とも非常にゆかりのある植物でした。

こちらに群生しているシラカシの樹齢およそ150年から200年と言われているそうで、これだけ広く分布している姿が見られることは珍しいとのこと。
そのため、現在は県の天然記念物として指定されています。

県が天然記念物として指定しているシラカシのスポットは、神奈川県内ではこちらを含めたわずか2カ所しかありません。
いかにこのシラカシ林が珍しいスポットであるかがわかりますね。

さらに、他にも見どころのスポットはたくさんあります。
園内の中央に位置する古代芝生広場を北側に横切ると、「湿生植物園」が見えてきます。
こちらは水辺に生息する植物や生き物を観察できるほか、ウッドデッキの散歩道で整備されているので気軽に散策をすることも。
初夏にはハナショウブやアヤメなどが美しく咲く姿が見られ、かつての田園風景を偲ばせる稲作ゾーンなど各品種に合わせた環境づくりがなされています。

また、南のエリアに移動すると「クヌギ・コナラ林」のエリアが現れます。
こちらはかつての里山の雑木林を保存しているエリアで、年間50種類もの野鳥が観察できるのだとか。
天気の良い日には富士山を望めることもあるそうですよ。
自然の癒しとパワーを感じたい方は、ぜひ訪れてみてくださいね。

楓さん(303)の記事

県立東高根森林公園

https://higashitakane.com/

川崎市宮前区神木本町2-10-1 044-865-0801(パークセンター) 【アクセス情報】
小田急小田原線「向ケ丘遊園」駅より川崎市営バス「溝口駅南口行き」乗車後、「森林公園前」下車後徒歩約3分

この記事は読者リポーターの投稿によるもののため、情報の正確性は保証されません。ご確認のうえご利用お願い致します。

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