月2回だけ見学できる、江戸時代に建てられた「平尾の古民家」

小田急線の新百合ヶ丘駅から徒歩20分(バス5分+徒歩5分)の場所にある、江戸時代に建てられた立派な古民家をご紹介します。
その古民家は、東京都稲城市平尾にある約180年前に建てられた旧石井邸「平尾の古民家」。月に2回一般公開されており、建物の中まで無料で見学することができます。公開日には市の文化財担当スタッフさんが常駐しているので、古民家について詳しく教えてもらうこともできます。
玄関がふたつ!幕府の役人を迎える特殊な造り

こちらは農家でしたが名主(なぬし)と呼ばれる地域の代表者の家だったため、幕府の役人などを迎えるための接客用玄関が付いた珍しい造りになっています。

接客用ではない玄関を入ると広い土間があります。土間は台所として使っただけでなく、農業の作業部屋にもなっていて、現在は昔の道具が展示されています。


現代的な照明が付いている部屋があるのですが、実はこちらの建物には約15年前まで持ち主の方が暮らしていたそうで、その名残の照明です。
建物の周りにも昔の生活や工夫が

建物の裏には、関東ローム層を利用した、穀物の保管に適した温度や湿度を保つ「イモ穴」と呼ばれる貯蔵穴があります。江戸時代に使われ、明治時代には敷地内に土蔵が建ち、貯蔵の場所は土蔵に移ったとのこと。土蔵は今も残されていて見学できます。
また、建物の周りには竹林や柿の木、イチョウがあり、春はタケノコ、秋は柿や銀杏を食べていたそうです。
敷地の外は新しい住宅街が広がっていますが、かつては古民家の前に牛舎と田畑があったそうです。古民家を見学しながら、昔の暮らしや景色を想像して楽しんでみてはいかがでしょうか。
「平尾の古民家」の公開日は稲城市のホームページに掲載されています。また、夏休み中は歴史を伝える子ども向け紙芝居の読み聞かせイベントが行われる日があります。ぜひ足を運んでみてください。
平尾の古民家
https://www.city.inagi.tokyo.jp/event/bunka/1003804.html
稲城市平尾2-45-19 ※公開日は稲城市のホームページに掲載されます。電話番号:稲城市郷土資料室 (複合施設ふれんど平尾内)
042-331-0660(電話受付時間:火~金9:00-17:00)
アクセス情報:「新百合ヶ丘駅」より徒歩約20分、またはバス5分(バス停「平尾」)+徒歩5分
資料提供:稲城市教育委員会
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