小田急沿線の暮らしに寄り添う地域密着サイト。

平安以来の身近な古刹!「王禅寺」で歴史・文化・自然に触れよう!

平安以来の身近な古刹!「王禅寺」で歴史・文化・自然に触れよう!

引用:https://asao-kankou.jp/?page_id=4744

川崎市北西部には「王禅寺」という古いお寺があります。
平安時代にあたる921年に開かれたとされ、高野山の座主であった無空が開山をしたことから「関東の高野山」とも呼ばれています。
近代には多くの文人から愛されたお寺でもあり、特に北原白秋は「王禅寺に憩う」と、このお寺をテーマにした作品を執筆したほど。
現在でも境内には白秋の歌碑が建立されています。
また、お寺の隣には「王禅寺ふるさと公園」があります。

この公園は、元々お寺が所有していた山を川崎市が買い取って公園にしたもので、多くの人が遊んだり散歩をしたりして楽しめる場所です。
そんな王禅寺は2007年に国指定の登録記念物に指定され、川崎市が指定する「まちの樹50選」や「ふるさと麻生八景」にも選ばれています。
川崎市内の住宅街にありながら、古くから多くの人々に愛されてきたお寺なのです。

王禅寺の境内には大きな柿の木が生えています。
お寺の名前に由来して「禅寺丸柿」と呼ばれる品種で、1214年に境内で発見された日本最古の甘柿とされる柿です。
1370年頃から近隣にも広がり始めて、江戸時代には江戸に住む多くの人から愛される人気品種になっていました。
王禅寺がある一帯では特に禅寺丸柿の栽培が盛んに行われて、明治時代には周辺の村が合併して「柿生村」が誕生。
これは柿の生産量が多かったことに由来した名前で、現在でも「柿生駅」などの形で残されています。
王禅寺を愛した北原白秋は、境内の環境だけでなく柿についても言及しており、柿と周辺の里を称える長歌も詠んでいます。
ちなみに、禅寺丸柿の木は王禅寺境内にあるものを含め、計7本が国の指定登録記念物に登録されています。

王禅寺や、隣にある王禅寺ふるさと公園では秋になると美しい紅葉が観られます。
境内に植えられている多くの紅葉が秋になると真っ赤に染まり、秋ならではの景色を見せてくれるでしょう。
紅葉と落ち葉に包まれた参道を歩けば、心をリフレッシュできるかもしれません。
赤や緑の葉とともに見るお寺の伽藍は静かな美しさを持っています。

引用:https://www.city.kawasaki.jp/asao/page/0000123002.html

王禅寺ふるさと公園でも多くの木々による紅葉が楽しめます。
コナラ・クヌギ・クリなど、さまざまな種類の木による色とりどりの紅葉が見られるでしょう。
公園内には展望台もあるため、境内とは違った視点から幅広く紅葉と自然を観賞できます。
また、秋は王禅寺と縁がある柿の旬でもあります。
禅寺丸柿は商用生産も行われているため、紅葉の見た目だけでなく柿の香りや味でも秋を楽しめるでしょう。

引用:https://asao-kankou.jp/?page_id=1487

王禅寺から徒歩で30分ほど進むと「王禅寺見晴し公園」があります。
少々距離がありますが、その名のとおり見晴らしが良い高台の公園です。
ベンチと展望台があるシンプルな公園からは、伊豆・富士山・秩父などの山々を一望できます。
空気が澄んでいれば南アルプスの一部まで見えるようです。
日本最高峰の富士山と神奈川県最高峰の蛭ヶ岳(ひるがたけ)がちょうど重なって見える珍しい場所でもあります。
公園は南から西にかけて開けており、夕方になると美しい夕陽を見られます。
街なかながら山の向こうに夕日が沈む風景は素晴らしく、時期によっては「ダイヤモンド富士」が見られることも。
王禅寺から散歩して夕日を見られれば、一日の疲れも吹き飛ぶでしょう。


平安時代以来の古刹である王禅寺は多くの歴史や文化を育んできました。
文人の気持ちに触れたり地名の由来を見たりと、境内では充実した時間を過ごせます。
周辺は紅葉や夕日が美しい美景スポットでもあるため、秋の風景を満喫したい方は王禅寺に足を運んでみてください。

楓さん(303)の記事

星宿山王禅寺

https://www.city.kawasaki.jp/asao/page/0000028446.html

川崎市麻生区王禅寺940 044-966-5135

この記事は読者リポーターの投稿によるもののため、情報の正確性は保証されません。ご確認のうえご利用お願い致します。

この記事を友達に教えるこの記事を友達に教える

  • facebook
  • X