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いいね!小田急エピソード紹介vol.4

いいね!小田急エピソード紹介vol.4

小田急のくらしでは、皆様の"いいね!小田急"の輪を広げていけたら、との想いからエピソードを募集いたしました。
ご応募いただいた体験談の中から、素敵なエピソードを紹介させていただきます。

娘が住んでいた町田市へ通うため月に一度は小田急線に乗っていました。
「具合が悪いらしい」やら「学校の行事」やら口実をつくり、日帰りで帰ってこれる距離であるのに娘の部屋に泊まり、ゆったりした時間を過ごしリフレッシュしていました。
ただ行きはよいよいで帰りは娘のいる町田市を離れる寂しさで切なくて、心にぽかっと穴が空いたような気持ちになったことも確かで、あの頃を想うと何とも言えないセンチメンタルな気分になります。
今娘は大学を卒業して家に戻ってきていますので、行きはよいよい帰りもよいよいです。
小田急線に乗ると今でもワクワクします。(T.Kさん)

新百合ヶ丘に住んでいた頃、朝のラッシュの快速急行に乗っていた。
次が下北沢だからとても便利だ、と思って乗車したが、メチャ込みだった。
どうしようかな、と思ったが、後方からどんどん押されて後戻りのできない状況になってしまった。
15分ほど辛抱すれば下北沢に着く。
扉は閉まった。ベルが鳴り終わった。でもまだ発車しない。ギュウギュウ詰めの車内。なんともいえない圧迫感。
やおら文庫本を取り出し、吊革に摑まり、態勢を整えた。
「発車ぁ~・・・」
ようやく快速急行が動き出した。
快速ではないスピードで、ノロノロと進んで行く。前の電車が閊えています、という車内放送が度々入る。ギシギシした車内。
ドロドロと動き出し、ダラダラと登戸を通過し、多摩川を渡って行く。その辺からおかしくなってきた。
小説世界にも没頭できないほどの込み具合。閉塞感が全身から溢れだし、どうにもこの場所この現実から逃げ出したくなってしまった。そうなると・・・。
冷や汗に全身が包まれ、倒れ込みそうになってしまう。それでも動けない。
乗車している人全員が何かに耐えているし、何かを堪えている。急行なら成城学園前で停車する。そこで降りて休めばいい。
しかし、その頃の快速急行は下北沢まで停車しない。もうダメだ、と思った瞬間、目の前に座っていた人が、
「お宅どうされました!?」
と声をかけてくれた。額から汗が滴り落ちていたから、なんだこいつ、と見上げた時に私の異変に気付いてくれたのだろう。
周囲の人がざわついた。身動きできない車内で人が蠢いた。
「どうぞ・・・」
そう言って立ちあがり、私の肩を取り、そのまま座席に座らせてくれた。
倒れ込むように前のめりで座席に蹲った。ありがとうございます、というのが精いっぱいであった。
やがて下北沢に到着した。
人が動き、扉の方に向かって行く流れに乗ろうと体に鞭打つように椅子から立ち上がった。
もう一度お礼を言わなければ、と思ったがその人がどの人かもうわからなくなってしまっていた。
あの時の心遣い。小田急に乗る度に今も思い出し、心の中で呟いている。
「どうも、ありがとう!」(H.Hさん)

彼が町田に住んでいたので会いに行く時はいつも小田急でした。
通り過ぎていく景色を見ながら早く彼に会いたくて…いつもドキドキしてたのを覚えています。
その時の彼氏は今では私の旦那様です。
小田急は私にとって大切な思い出の電車です。(M.Mさん)

小田急線が好きだ。
小田急線と言っても線路とか駅とかじゃなくて、はつらつとした駅員さんを見るのが好きだ。
遠くから手をふるとにっこり会釈してくれる。
あの柔らかい笑顔が好きだ。
ちいさい子が「しゃしょうさーん」と声をかけると敬礼をする。
あの大きくて、真っ白なグローブの手が好きだ。
電車に乗っていない時も好きだ。
杖をついた人や車椅子の人を見つけるとそっと手荷物を持つ。
あのさり気ない感じが好きだ。午後2時になると遅めのランチを買いに行く。
あのラフな感じも好きだ。キオスクで自分と同じコッペパンを買う。そこに運命を感じる瞬間が好きだ。
終電を終えたあとも好きだ。肩の荷がおりたように、清々しい表情で改札へ向かう。
あのゆっくりとした足取りが好きだ。
「お疲れ様でした」と言うと軽くお辞儀をする。あの斜め上目線も好きだ。
こんなエッセーを書きながら、私は小田急線も好きだけど、車掌さんはもっとスキなんだと気づく。
私はこれからも小田急線を愛し続ける。
終着駅は下北沢ではなく、車掌さんの笑顔だ。(Y.Mさん)

新宿から下北沢まで小田急線に乗った。
その日は1歳になる娘の予防接種があった。
車が乗れない私にとって小田急線は命綱みたいなもの。
だけどその日は通勤ラッシュで席も空いていないほど満員だった。
しばらくするとそれまで眠っていた娘が目を覚まし、やっぱり、ぐずり始めた。
車内は痛いほど冷ややかな目。早く泣き止んでくれ、と祈り、早くついてくれと祈った。
だけどなだめようとすればするほど娘の泣き声はヒートアップ。もうダメだ。
そう思った瞬間、「ほおら」と後ろにいた年配の女性がキーホルダーをクルクル回した。
それはトラのキーホルダーだった。
娘はそれを見るなりピタリと泣き止んだ。
さっきの号泣が嘘のように。
さっきまで冷ややかだった車内はいつのまにか温かい空気が漂い、感謝と共に降車した。
あの女性にはそれ以来会っていない。
だけど自分も同じ場面に遭遇したら同じことをしてあげようと思う。
そのために今日も鞄の中にちいさなトラのキーホルダーを忍ばせている。
いつか、いつか、と待ちわびながら。(J.Kさん)

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