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成城の穴場スポット!成城五丁目猪股庭園で巨匠・吉田五十八氏に触れる

成城の穴場スポット!成城五丁目猪股庭園で巨匠・吉田五十八氏に触れる
身近な歴史スポット!成城五丁目猪股庭園とは?

世田谷区・成城の住宅街に「成城五丁目猪股庭園」という美しい家屋・庭園があります。
家屋の設計は昭和中期の建築家・吉田五十八(よしだいそや)が行いました。
当初は労務行政研究所の理事長を務めていた猪股猛夫妻の住居として建てられたもので、夫妻の死後に遺族が世田谷区へと寄贈。
現在は世田谷区立の施設として一般公開されています。

吉田五十八は大正時代に事務所設立後、昭和中期を中心に活躍。
1964年には文化勲章も受賞した著名な建築家です。
日本の伝統的な建築様式である「数寄屋造」を近代化した建築が得意で、猪股邸もその建築物の一つに当たります。
大きな特徴は無駄な線を排することにあり、引き込み戸を用いて全面開口できる壁が多く設けられています。
日本の伝統建築と西洋の近代建築が融合した美しい建築様式が吉田五十八の魅力です。

一面植えられたスギゴケが見どころ!

猪股庭園は家屋に加えて美しい庭園も魅力の1つです。
吉田五十八と同時期に活躍していた庭師の田中泰阿弥(たなかたいあみ)による作庭で、京都・銀閣寺などでも出入り庭師を務めていました。
新潟県の出身であり、新潟県内を中心に多くの庭園で整備・作庭を行っています。

そんな田中泰阿弥の庭園はコケの美しさが傑出しているのが特徴です。
玄関からすぐの居間付近には地面一帯にスギゴケが植えられており、アカマツ・ウメ・モミジなどと合わせて四季折々の姿を見せてくれます。
吉田五十八の設計により庭を大きな開口部から見られるため、室内からでも外にいるような景色を楽しめるでしょう。
東京の街なかで見られる大規模な庭園はそう多くありませんが、このスポットであれば、伝統的な日本の美と季節ごとの自然をたっぷりと味わえるでしょう。
なお、1月と8月は庭園保護のために庭園路散策が行えなくなります。
庭園をめぐりたい場合は時期に注意して訪問しましょう。

味覚からも文化を堪能!ここだからこそ味わえる優雅なお茶席

ここまでご紹介してきたように、自然たっぷりなこの庭園ですが、また違った楽しみ方もあります。
遊式の日本庭園を望む居間では、お抹茶とお茶菓子を楽しむお茶席がひらかれており、美味しいお茶を堪能することも。
実は猪股氏は茶道「鎮信流(ちんしんりゅう)」を極めた達人でもあります。
生前は客人をもてなすほど茶道に入れ込んでいたそうで、邸宅内には客人をもてなすための茶室はもちろん、プライベート用に茶室を増築したこともあるそう。
邸宅に残る建築文化はもちろん、故人が愛したお茶の文化も一緒に味わえるのは、このスポットならではの魅力です。
なお、お茶席を設けるのは春・秋の各2日間。お茶席は11時~15時で、お茶席のみ500円で各日先着100人となっています。

成城五丁目猪股庭園は、高級感漂う成城においてひときわ強い高級感を持っている家屋・庭園です。
昭和の巨匠が実力を存分に発揮した傑作であり、伝統と新しさを同時に感じられるでしょう。
庭園も四季折々の美しさをたっぷりと感じられて、屋内から見ると特に美しさが際立ちます。ぜひ、世田谷の住宅街で自然や伝統に触れてみてください。

楓さん(303)の記事

成城五丁目猪股庭園

https://www.setagayatm.or.jp/trust/map/pcp/

世田谷区成城5-12-19 03-3789-6111 【開園時間】
9:30~16:30
【休園日】
月曜日

この記事は読者リポーターの投稿によるもののため、情報の正確性は保証されません。ご確認のうえご利用お願い致します。

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