ウルトラマンも見守る「祖師谷住宅」の未来
祖師ヶ谷大蔵駅からウルトラマン商店街を北へ進むと、右手に突然大ケヤキの並木が現れます。
ここは緑豊かな「祖師谷住宅」
昭和30年から31年に建設された世田谷区初の鉄筋コンクリート造、約70,000㎡の敷地に37棟1,020戸を有する大規模な集合住宅団地です。
当時大卒初任給が1万円の時代、家賃は4,100円~5,200円程度。入居者はホワイトカラーが95%で「高級団地」とも呼ばれたとか。
このあたりの周辺の道路はとても狭いのですが、「祖師谷団地」の中を通るこのケヤキ並木は道幅も広く、見上げるほどの大ケヤキの豊かな緑は本当に美しく、空気も一段と美味しく感じられます。
特に猛暑の夏には豊かな緑が暑さを遮り、樹々の存在のありがたさを痛感します。
長らく愛された住宅ですが、建設から60年以上が経過し、老朽化が進んだことから建替えが行われます。
37棟の解体工事は4期に分けられ、来年から順次工事に入り、第1期部分の竣工は2027年、第4期は2038年度予定だそうです。
なんと、長い年月を要します。
並木の入り口には、昔ながらの商店が軒を連ねて。
人気の精肉店「鈴木」の前にはお昼時は行列が。揚げたてのコロッケも人気です。
様々なモノが、新しく時代と人々のニーズに合うように変化していきます。
ここにはケヤキのほかにも桜やツツジなどがあり、季節ごとに人々を愉しませてくれています。
出来る限り自然は大切に保存して、これから先の時代にも生かされていくことを願います。
老朽化した建物は建て替えられても、生きてきた自然を一度失えば、再生するためにまた長い年月が必要です。
生活されている方もいらっしゃる中で、いよいよ2024年から順次始まる工事。
移り変わる前の「祖師谷団地」、昭和の風景を見られるのも、あとわずかのようです。
祖師谷住宅
世田谷区祖師谷2丁目この記事は読者リポーターの投稿によるもののため、情報の正確性は保証されません。ご確認のうえご利用お願い致します。