仙川沿いの桜並木は、この地域の歴史と共に美しく咲く

小田急線の成城学園駅から世田谷通りにかけては遊歩道となっています。この「仙川沿いの遊歩道」は、成城学園前駅から、徒歩10分程度のところにあり、桜並木がとても美しいスポットとして知られています。

こちらの桜並木の特徴は、川沿いに桜が植えられていることです。一級河川の仙川は水質がよく、水面が鏡のようになるため、頭上を覆う桜はもちろん、川面にも桜が映り込むさまは美しく、見どころのひとつとなっています。
また、遊歩道の桜並木のあるエリアには東宝の撮影所「東宝スタジオ」があることでも知られており、夜になると東宝のスタッフの方々が映画の撮影に使用する照明機材を使ってライトアップをしてくれます。ライトアップされる期間は年によって変わることと、5日間だけとなっている点には注意が必要です。ライトアップの日程については看板が設置されているので、見たい方は事前に確認しておくことをおすすめします。

仙川沿いの遊歩道のほど近くに東宝の撮影所「東宝スタジオ」があることから、遊歩道のフェンスには東宝の看板スター怪獣といえるゴジラや、撮影用カメラの絵があしらわれています。この地に撮影所が建てられたのは昭和6年のこと。当初は映画録音会社のP.C.L(写真化学研究所)の撮影所でした。昭和11年に関連する映画会社が合併して東宝映画株式会社が設立されたことで、この撮影所も東洋一といわれるほどの規模に発展しました。
撮影所から近い成城の地には、数々の映画俳優が暮らすようになりました。また成城を含めた撮影所近くの地域が映画のロケ地として使われることが多く、「映画俳優が暮らす町」「映画のロケ地の町」といったことから憧れる人が多く、人気がある町となったことで地価が高騰。それが現在の高級住宅街の成城へとつながります。
東宝スタジオは、成城や仙川周辺地域の歴史を彩る存在であるといえるでしょう。

成城の近くでお花見をしたいという方は少し足を伸ばして、三鷹市新川6丁目にある「仙川平和公園」に行ってみてはいかがでしょうか。この公園は「桜の公園」と呼ばれるほどたくさんの桜が咲き誇る公園として知られています。
園内の桜並木は、淡いピンク色の花を咲かせる桜の代表的な品種であるソメイヨシノのほかに、真っ白な花を咲かせるオオシマザクラも見られます。
公園には、さまざまな平和への祈りが込められたモニュメントが多く集まっているのも印象的です。「平和の像」は、彫刻家の北村西望が製作した長崎にある「長崎平和祈念像」を原型として作られたもので、三鷹市の平和のシンボルとなっています。
また、公園には明るいクリーム色を帯びたオレンジ色のバラが咲いています。これは「アンネ・フランクのバラ」と呼ばれ、ナチスのユダヤ人迫害の被害にあったアンネ・フランクの隠れ住んでいた、オランダ・アムステルダムの隠れ家の裏庭に咲いていたものを、迫害から生き延びた父のオットーが世界中に広めたものです。
その他、ノルウェーの平和学者であるガルトゥング博士が植樹した桜「ガルトゥングの桜」や、三鷹空襲を生き延びた2本のプラタナスの木など、平和の尊さを語り継ぐ植物が多数園内に存在します。
仙川沿いの遊歩道
世田谷区成城 03-5432-1111 アクセス情報:「成城学園前駅」南口から徒歩約7分※参照URL
https://www.city.setagaya.lg.jp/02092/4350.html
https://setagaya339.net/fukei/2_11_30/227_fukei.htm
https://www.setagayadigitalmuseum.jp/collection/22179/detail/38842031/
https://4travel.jp/travelogue/11346104
https://www.city.mitaka.lg.jp/c_service/102/102211.html
https://www.city.mitaka.lg.jp/heiwa/rekishi/symbol.html
この記事は読者リポーターの投稿によるもののため、情報の正確性は保証されません。ご確認のうえご利用お願い致します。