歴史と絶景が楽しめる、日蓮上人ゆかりの寺「龍口寺」を訪ねて

小田急線の片瀬江ノ島駅から徒歩15分。歴史と信仰の深みを感じられる多くの見どころの多い「龍口寺」(りゅうこうじ)は、古の歴史と静寂が交わる霊跡本山として多くの方々に親しまれています。
寺の入り口に建つ「仁王門」は、昭和48年(1973)に竣工された鉄筋コンクリート造り瓦葺の門で、厳かな雰囲気をもつ入口となる門。仁王尊像の力強い佇まいが龍口寺に訪れるみなさまを迎え入れます。
歴史の舞台となった聖地
龍口寺(りゅうこうじ)は神奈川県藤沢市片瀬の龍口刑場跡に建つ日蓮宗の本山です。鎌倉時代に日蓮聖人が処刑されそうになった「龍ノ口法難(たつのくちほうなん)」の舞台として知られています。奇跡的に処刑を免れたこの地は、その後、日蓮宗の霊場として尊ばれるようになりました。境内には、日蓮聖人が処刑されそうになった跡地「日蓮聖人法難 刑場跡」など、歴史の重みを感じさせる史跡が点在しています。
「本堂」は、天保3年(1832)に完成した、欅造り銅板葺の建物で、神奈川県を代表する木造大建築物として知られています。荘厳な雰囲気を醸し出し、参拝者を優しく迎え入れてくれます。

仏教文化の継承と信仰の象徴として建てられ、自然災害にも長年耐え抜きながら、現在もその役割を果たし続けています。

五重塔から見える湘南の絶景
龍口寺の魅力は、歴史だけではありません。高台にある五重塔からは、江の島や相模湾を一望できる絶景スポットがあります。天気の良い日には、海面を滑るように進むヨット、そして遠くに広がる水平線まで見渡すことができ、日頃の喧騒を忘れて心ゆくまでリフレッシュできます。
夕暮れ時には、空と海が茜色に染まる幻想的な景色が広がり、ロマンチックなひとときを過ごすことができます。

龍口寺の最も重要な大法要「龍口法難会(りゅうこうほうなんえ)」
龍口法難会は、毎年9月11日から13日にかけて、龍口寺で厳粛かつ盛大に執り行われる大法要です。この行事は、日蓮聖人が文永8年(1271年)に龍口刑場で受けた法難を偲び、その精神を受け継ぐために行われています。特に12日の夕刻から夜にかけては、近隣の講中の方々による万灯が奉安され、境内や門前には夜店が立ち並び、多くの参詣者で賑わいます。この光景は、夜空を彩る万灯の灯りとともに、訪れる人々に感動を与えます。
日蓮聖人に牡丹餅を供養された故事にちなみ、龍口寺では手作りの牡丹餅を供えています。この「難除けの牡丹餅」は、災難を免れる縁起物として参詣者にも配られ、多くの人々に親しまれています。
龍口法難会は、歴史と伝統を感じながら、地域の人々や参詣者が一体となって祈りを捧げる特別な行事です。
また、龍口法難会の初日には、日蓮宗僧侶を中心に「仏舎利塔 平和祈願大法要」が行われます。

観光の拠点としても最適
龍口寺は、江の島観光の玄関口としても最適な場所にあります。江の島まで徒歩圏内で、参拝後に江の島の観光を楽しむこともできますし、江ノ電に乗って鎌倉方面へ足を延ばすのもいいでしょう。近くには、しらす丼が美味しいお店や、おしゃれなカフェも点在しており、食事や休憩にも困りません。小田急線の片瀬江ノ島駅から徒歩15分。都会の喧騒から離れ、歴史と自然が織りなす静寂な空間で心洗われるひとときを過ごしてみませんか。きっと、新たな湘南の魅力に出会えるはずです。
寂光山 龍口寺
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藤沢市片瀬3-13-37 046-625-7357 アクセス情報:小田急江ノ島線「片瀬江ノ島駅」徒歩15分、江ノ電「江ノ島駅」から徒歩3分この記事は読者リポーターの投稿によるもののため、情報の正確性は保証されません。ご確認のうえご利用お願い致します。