紅葉が始まった旧前田家本邸 洋館
小田急線代々木上原駅、東北沢駅から徒歩で行ける場所に位置する国の重要文化財、「旧前田家本邸洋館」が紅葉に包まれ始めています。この洋館は昭和4年から5年にかけて建設されたもので、邸内にはシャンデリアや大理石の暖炉などが当時のまま残されています。現在、邸内は無料公開されており、来館者はその歴史的な趣を体感することができます。
「旧前田家本邸洋館」は、加賀藩大名であり後に公爵となった前田利為が建てた洋館です。敗戦後にはアメリカ軍に接収され、さらに国が買い取るなどの経緯を経て、現在は目黒区が管理しています。
洋館からは渡り廊下を介して和館と繋がっている非常に大きな建物です。ここには家事に従事する者が100人近くいたとされています。その様子から、まるで大きなホテルを運営しているかのような暮らしが想像されます。
建築様式はイギリス・チューダー様式であり、震災後に建てられた鉄筋コンクリート造の建物です。建物内は、当時の一般的な家より天井が高く設計されています。一方で、入り口ドアの「上枠」に関しては当時の日本人の平均的な身長に合わせて設計されている部分があるため、身長の高い人が通る際には頭を打ちつけてしまう可能性があるため注意が必要です。
特に各部屋に敷き詰められた華やかな絨毯の存在が目を惹きます。この絨毯は分厚い毛織物で、絨毯の厚みが床に埋め込まれる形で施工されており、段差のない統一感のある美しい仕上がりとなっています。このような細部への配慮が、建物全体のグレードの高さを際立たせていると言えます。
旧前田邸を囲む駒場の木々が紅葉し始めています。隣接する東京大学のキャンパスでは、巨大なイチョウ並木が黄金色に染まり、その美しさが際立っていました。豪華絢爛ながら歴史に翻弄された一族が暮らした旧前田邸は、秋のアカデミックな探索を楽しむ場として注目されています。
旧前田家本邸 洋館
目黒区駒場4-3-55 休館日 月曜日・火曜日(ただし祝日の場合は開館)、年末年始(12月29日から1月3日まで)開館時間 午前9時から午後4時
見学料 無料
この記事は読者リポーターの投稿によるもののため、情報の正確性は保証されません。ご確認のうえご利用お願い致します。






